趣味の園芸講座
植物を育てるにはいくつかのポイントがあります。
大きく分けると「環境」と「管理」です、
ここでは 家庭で素人が趣味として行う「園芸」の基本的なことだけ簡単に解説します。
オレも素人だから間違っていることもあるかも知れないが、あの大病以来二十余年、草花や観葉植物から始まって 野菜・果実・サボテン・山野草・洋ランまで
種まき・挿し木・株分け・剪定・・・素人だから失敗にも懲りず、何でもかんでも挑戦して研究、習得してきた経験論であります。
良くいえば多趣味だけど、自分でもつくづく「凝り性」だと思う。
何かにハマルと、もう抜けられない・・・そのくせ「極める」ところまでは到達できないくせに・・・・、これは死ぬまで治らねえな、 困った性分である。
「環境」とは栽培環境のことで、その植物の生育に適した環境におくこと。
「管理」は 水やり、肥料、植替え、支柱立てや誘引、選定や摘心、そして病害虫対策という人の手を使って面倒見ることである。
園芸は 対象の植物を知ることから始まります。
原作地はどこか、どのような環境で育っているか、
日光の当たる条件とか、気温、湿度、風当たり、成長期と休眠期など一年間の生育サイクル、・・・・などの特性を知ることが大切です。
例えば 洋ランは殆どが東南アジアや中南米の熱帯雨林や山岳地帯が原産で、
シンビジウムは地面に生えている(地生種)、
デンドロビウムやファレノプシス(胡蝶蘭)は大木の幹に張り付いている(着生種)で根が空中にむき出しになり(気根)、空気中から湿度や栄養分を摂っている。 高いところに生えているから日光も当たるし風通しもよい、
従って、デンドロビウムに毎日水を与えていたら根腐れして枯れるのです。
“桜は三月春に咲く、菖蒲は五月、六月牡丹に蝶が飛ぶ、
七月は萩に猪、九月に菊が青短で 十月の紅葉に鹿が出りゃ・・・、
これで猪鹿蝶(イノシカチョウ)だ・・”
初めは花の開花期について、これくらいの知識しかなかった。
これではだめだと気がついて、植物図鑑や園芸の本を読み、
森ミドリさんや江尻光一さんのテレビも見た・・・
やっぱり「知らなきゃだめだ」ということです。
今頃は書物を読まなくても鉢を買えば説明書が付いているし、
インターネットという便利なものもある、
お花屋さんでお気に入りの鉢を買って、これから育てようとする人は、
まず その花の特性を調べることが一番ですね、
その花に適した「おき場所」と「水やり」をすれば 失敗することはありません。
ポイント
① 基本的にはどんな植物も日光を好む、
南側の窓際、明るく風通しの良い場所を選ぶ、北側の玄関とかトイレの中とか、普段照明のない暗い場所はだめ、(ウドとかモヤシは別だよ・・・家庭でそんなの育てる人いないだろうけど)
室内にある鉢は たまには外へ出して日光浴をさせる。
「光合成」ができる環境におくことです、
昔は「炭酸同化作用」といった、理科の時間で習ったでしょ、
真夏の直射日光に当てると葉焼けを起こすのもあるが、曇空の日から徐々に慣らしていけば大丈夫。
② 用土は水はけの良いもの、
草花の場合、鉢底に大粒の軽石(鉢底土)を敷いて、赤玉土5・腐葉土3・パーライト又はバーミキュライト又は軽石のようなもの2くらいの割合で・・・・、
オレの場合は凝り性だから 赤玉の中粒をふるいにかけて微粉を取り除いてから腐葉土などとミックスする・・・・、
水をやると 一瞬でさっと底から流れ出る状態がベストです。
ラン類のような高級なもの、又はポトス、トラカンのように蔓性で 主に室内で観賞したいものは水苔、バーク、軽石などで植えると清潔で水はけも水もちも良い。
鉢は原則として 株のことを考えたら「素焼き鉢」が最適です。
プラスチックのように空気の通らないのはだめ、根も呼吸していると思っていなければだめなのです。
花屋で売られている草花は 鉢の中に黒いプラスチックの育成用のポットが二重になったのがよくあるが、あれはすぐに抜いて植え替えしないとだめ。
贈答用の高価な胡蝶蘭なんかは ゴーシャスな見栄えにするために三本くらいを「寄せ植え」している、これも花が終わったら捨てるならいいけど、
育てようというのなら株を離して一株ずつに植え替えないとだめ。
③ 水やりは鉢底から流れ出るまで
水をやるということは 植物がめしを食うのと一緒ですが、土の中の不要な老廃物を洗い流す、掃除するという意味もあります。
ちょろちょろはだめ、やる時は景気良くどっとやります。
葉にもシャワーしてやるといい、ついたゴミや害虫のタマゴまで洗い流すような感覚で・・・、
根は基本的に「低温での多湿」に弱い、
葉は「乾燥」に弱いから、乾燥しやすい室内の観葉植物の葉には霧吹き(シリンジ)をしてやる。 特に冬場には 水やり回数は少なくシリンジを多く・・・です。
素人は水のやりすぎで失敗するケースが殆どです。
肥料もやりすぎてはだめ、肥料がなければ生きていけない植物はないのだから。
水は「定期的に」、冬場は週一回とか、夏場は週三~四回とか・・・・、
特に肥料は成長期だけ、液肥は薄めて、固形肥料は少量やれば充分です。
一般的に花の咲いているときは 肥料はやらない、
花はなるべく早く切って「切り花」にして観賞したほうが良い、
花が咲いているときは株が見栄を張っていい格好しているときだから、
株が体力を消耗させるのです、
人間だってそうだ、男も女も 正装したときや化粧して着飾ってパーテイでいい格好したあとは 疲れるだろ・・・。
④ 観察してやる
花の命は自分が預かっている、花は自分に命を託している・・・
そういう気持ちで育ててやれば 植物は枯れることはありません。
犬猫や小鳥や金魚や・・・ペット類を飼うのと同じです。
例えば 人が寒いときには植物も寒い、冬の夜は窓辺に置いた鉢を部屋の中へ移動させる、でも暖房機の温風に直接当てたり、夏のクーラーに直接当てたりはだめです。
人間だってクーラーは気持ちいいけど つけっぱなしで寝たら風邪をひく、
とにかく人間が健康でいられる環境と同じ条件にしてやればいい、
水をやらなければ枯れるし、やりすぎても枯れる、
決して甘やかしてはいけない、でもいつも見ていてやらなければいけない、
新芽は出ただろうか、茎が伸びたか、葉は元気か、・・・
とにかく世話がやけるのです。
愛好家は観察して 世話をやく・・・それが楽しいのです。
そして、花が咲いたときの達成感と喜びを味わうのです。
オレは病害虫の対策はあまりしたことがない、
薬は臭いし、使いたくない・・・、虫がついたときは仕方がないけど。
いつも観察してやって健康に育った株は 病気も害虫も寄せ付けないのです。
⑤ 花を買うときは
花よりも「葉」を見て、元気なのを選ぶ、
花の茎が伸びすぎていない 背の低い がっしりしたタイプが良い、
鉢花を買うときは 誰でも好みの「花」を見て買いますが、花が開ききったのより
これから咲く「つぼみ」が多いほうを選ぶ、
プロ野球のどこかの名門球団のように 高級品で満開の綺麗な花ばかり買い集め、
お金がなくて これから育つ小さな鉢しか買えなかったチームに なぜ負けるのか・・・・、
それと同じことです。
また 脱線してしまった、野球については 別の機会に書きますが、
カトレア、ファレノプシス、パティオ、デンドロ、オンシジウム、エビデンドラム・・・などの価格の高いラン類は 例えば開花期に一万円で売っている株が 花が終わると半額以下になったりします、展示会などの即売では「苗」の状態だと千円以下で買えるものもあります。
「根」と「バルブ(茎の部分)」と「葉」が元気なら 花芽はなくても翌年は一万円クラスの花が咲きます。
写真・・・オンシジウムの花芽が伸びてきた、左側が気根です。
毎年4月に咲いていたのに 今年は今頃伸びてきました、
引越しで環境が変わって調子が狂ったか?・・・ でも元気です。
垣根のでっかいバラ(近所の)と 鉢植えのミニバラ。
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