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千曲川旅情

カワセミと信天翁さん

9月12日、朝から雨、ハヤブサ号は犀川沿いに国道19号線を北上、

安曇野を抜け長野へ向かう。

Photo_162 犀川・山・雲・蜘蛛

Posiのブログで知り合った長野の信天翁(あほうどり)さんに会いにいくのだ。

Posiと信天翁さんとは7月頃からブログで交流があった、

そのころオラが“渓流で釣りがしたいだの カワセミに逢いたいだの・・・”

贅沢な夢の話をコメントしたら、posiからそれを聞いた信天翁さんが カワセミの巣へ案内してくれるというのである。

Posiと信天翁さんはもちろん初対面だ、オラはそれに輪をかけて初対面だ。

Photo_35 カワセミ(図鑑)

お互い「ポジさん」「信天翁さん」とブログのニックネームで呼び合う、

オラも入って「mywayさん」ということになる。

ネット初心者のオラには 不思議な初体験だ。

価値観を共有するものに本名は必要ないのだ、

でも、ずっと昔からの友人のような親近感がある。

インターネットを使った現代ならではの出逢いだけど、

その出会いをプロデュースしたのは 渓流・カワセミ・昆虫・千曲川の自然・・・・、

詩や音楽や絵画、歴史のロマンやふるさとへの郷愁・・・、

自らの心を癒そうとする人間の本質的な部分なのだ。

「信天翁さん」は立派な紳士で 素敵な団塊オヤジだった。

第一印象だけで こんなにフィーリングの会う人はオラの人生で始めてだ。

インターネットは こんなに素晴らしいこともあるのだ。

現役時代に同じ行動範囲の中で出逢っていたら きっと大親友になっていたと思う。

彼のブログをリンクしたから これからはブログの中で会いにいくことになるだろう。

 

おみやげまでもらってしまった、自家製の杏のジャムに白瓜の粕漬け、それに持ちきれないほどの信州の林檎、

Photo_36 Photo_163 Photo_164

白瓜の粕漬け  信天翁さんの車 犀川の河原で

 

オラは食いしん坊だから、杏ジャムは次の日には空になって写真に撮るのを忘れた、大失敗じゃ。

せめてものお返しに オラの栽培する「ウコン」を収穫したら送りたい。

「信天翁さん」本当にありがとう。

Photo_165 Photo_167

カワセミの棲む茂み   川中島

 

カワセミの巣は犀川と千曲川の合流地点、広い河原の端の茂みの中にある。

一日中定点カメラを据えて待っていれば 飛来して枝にとまる姿が見られるかもしれないが、一日中待っているわけにもゆかないので 暫し茂みを眺めてから引き上げた。

犀川と千曲川の合流地点にできた三角州が「川中島」だ。

この川は新潟県に入ると 信濃川と名前を変えて日本海へ注ぐ

全長367km日本一の大河だ。

実際の川中島の古戦場はここから少し離れた場所にあるのだが、

川の流れは生き物と同じ、年月と共に常に形を変え 流れる場所も変化する。

四百年も昔の古戦場が別のところにあるとしても、今現在、ここは紛れも無く二つの川が合流する地点、「川中島」なのだ。 

自分的にはここが川中島だということにしよう。

それでなけりゃ面白くない。

Photo_168

この日は雨のために増水しているので分かりにくいが、 

画面中央の右手から流れこむのが千曲川、手前が犀川だ。

そして、川中島の戦いで最も激戦だった四度目の合戦が910日だったということは 今日は12日だから およそ四百年前の一昨日のことだ、今オラたちが立っているこの雄大な河原に死傷者がごろごろ倒れ、川の水は血の色で染まっていたのだ。

なんちゃって、得意な分野になると すぐにうんちくを傾けたくなるのが オラたちオヤジ世代の悪い癖だけれど、オラはこんなことを知っていると偉そうに自慢したいのが本音だけど、若い人たちに歴史のロマンを伝え、教えてやりたいのも事実だから、次回はもう少し詳しく 信玄と謙信の名勝負、川中島の戦いのお話をすることにしよう。

T_noike001 オオムラサキ(図鑑)

川中島を後にして 千曲川の河川敷に国蝶オオムラサキの繁殖する榎(えのき)の群生地へ案内してもらった。

オオムラサキは榎の葉にたまごを生み、幼虫は榎の葉を食べてサナギに成長してゆくということだ。 蚕(かいこ)が桑の葉を食べるのと一緒で、オオムラサキも榎の葉しか食わないのだ。

Photo_169 Photo_170

榎の群生        榎の葉

 

千曲川のうた

千曲川といえば オラの世代は 先ず島崎藤村の詩を思い浮かべる。

小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ
   緑なすハコベは萌えず 若草の籍くによしなし
   しろがねの衾(ふすま)の岡辺 日に溶けて淡雪流る

あたゝかき光はあれど 野に満つる香りも知らず

浅くのみ春は霞みて  麦の色わずかに青し

旅人の群れはいくつか 畠中の道を急ぎぬ

暮行けば浅間も見えず 歌哀し佐久の草笛

千曲川いざよう波の  岸近き宿にのぼりつ

濁り酒濁れる飲みて  草枕しばし慰む

昨日またかくてありけり 今日もまたかくてありなむ

この命なにをあくせく  明日をのみ思ひわずらふ

いくたびか栄枯の夢の  消え残る谷に下りて

河波のいざよふ見れば  砂まじり水巻き帰る

嗚呼古城なにをか語り  岸の波なにをか答ふ

過ぎし世を静かに思へ  百年もきのふのごとし

千曲川柳霞みて     春浅く水流れたり

たゝ゛ひとり岩をめぐりて この岸に愁を繋ぐ

だからどうした・・・と言われてもオレには返す言葉はない。

でもこれは 難しい。

正直なところ よく解らない、雰囲気はなんとなく理解できるけど、

やっぱり難しい、第一 字が読めないよ。

文豪と呼ばれる人の詩や小説は レベルが高すぎるのか 

オラたち現代人には難解なものが多い。

特に明治の文豪は難しい、オラも若いころ随分挑戦してみたが、

藤村の「夜明け前」は10頁くらいでギブアップしたし、

森鴎外の全集に到っては 読めない漢字ばかり出てきて、1頁で撤退した。

字が読めない、意味が分からないのに頑張って読破する根性なんてなかったもんな。

漱石・芥川さんあたりは 面白く読めたけどね。

文学の世界でも 古典は貴重なものだろうけど、

時代に合ったものでないと理解が難しいということかね。

同じ千曲川なら 五木ひろしの歌のほうが オラには親しみやすい、

水の流れに 花びらを 

そっと浮かべて 泣いた人

忘れな草に 帰らぬ初恋を

想い出させる 信濃の旅路を

これは山口洋子さんの作詞だけど、藤村の千曲川の現代版かもね。

少年のころに出逢った歌や詩は チンプンカンプンでもいいのだ。

誰でも色々なことがあって、良いことも悪いことも 経験を積み重ね、

やっと大人になって 始めてその詩の心が解ったり味わうことができるようになるのだろう。 

藤村の詩で一箇所、 現在のオラには大好きなところがある。

昨日またかくてありけり 今日もまたかくてありなむ

このいのちなにをあくせく 明日をのみおもいわずらふ

ここはいいね、こんな心境になりたいね・・・、

藤村はやっぱ凄いよ、

藤村の「千曲川旅情のうた」は 日本の近代文学の原点かもしれない。

いつの時代も 優しい詩の題材となる千曲川は日本人の心のふるさとだ。

美しさと、長閑(のどか)さと、悠久のロマンをのせて、

この川は あくせくなんかしていない、今日もゆったりと流れている。

今回のオラの旅は 人生で初めて旅情という言葉を味わったようだ。

あれがしたい、これが見たい・・・とりあえず欲望というものが叶えられた。

林昌寺の住職は 父の位牌へ経をあげてくれた、

Posiは 渓流へ・里山辺や温泉にも連れて行ってくれた、

久美ちゃんは釣った魚を美味しく食わせてくれた、

信天翁さんという素敵な人物に出逢い、カワセミの棲む犀川の河原で雄大な川中島を眺望できた、千曲川オオムラサキの生息場所も案内してくれた、

そしてハヤブサ号もよくがんばって走ってくれた・・・

猫のネ子(猫の名前)も一緒に寝てくれた・・・、

でも こいつはオラたちがおみやげに持って帰った魚を食わなかった、

オラたちは 猫が食わない魚を喜んで食っていたことになる、

「ネ子」はキャットフードしか食わない猫の現代っ子だ。

ま・いいか・・・、猫の教育問題まで悩むことはない。

兎に角 みんなに「ありがとう」だ。

今日まで元気に生きてきて本当に良かった、もう思い残すことはない・・・、

なんてこと云ったら 死んでしまうと困るから、次の目標に向かわなければいけない、次は何にするかまだ決まっていないが、とりあえず腰痛と膝痛治したい。

Photo_37 ネ子

蛇足

ところで この猫の名付け親はオラだ。

数ヶ月前、弟の家に若いメス猫が住み着いてしまった、

名前をどうしようとメールがあった。

猫なら「ネ子」に決まってるべ・・・一発で決定した。

意外といい名前だと自負している。

これが仮に「馬」だったらどうか?

やはり「ウマ」でOK牧場だろう

もしもその「ウマ」が競走馬だったとしたら、実況のアナウンサーは困るだろうな、

「四コーナーを回って直線、大外からいい脚で伸びてくる馬は?・・・

ウマです・・・!・・・ウマ・ウマです!・・・?

他の馬を差しきって・・・ウマが一着でゴールイン・・・!!!」

競馬場が笑いで包まれると思うけど、

オラが馬主なら 絶対「ウマ」と命名したい、

こんなSimple is best はないと思うけど・・・、

せっかく千曲川旅情のいい雰囲気できていたのに 

また オヤジギャグになってしまった。

やっぱりバカだねオラは・・・長生できるといいけどね。

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