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清水の次郎長(その三)

歴史小説には 現代にも通用する面白い話が沢山あります。

映画やテレビドラマで 物語の内容がどう描かれるか?

その登場人物が自分と違うイメージだったり、脚本家や映画監督や役者の個性によっても 違いがでてきたりします。

原作を知らないでドラマを見るよりも 原作を読んでおくと興味が広がるのです。

清水次郎長も大政も実在の人物だが、その他の子分たちは 似たようなモデルはいても 物語の中では夫々が興味深く味付けされてゆくから どこまでが事実かは疑わしい。

森の石松は片目だが、本当に片目だったのは三保の豚松という説もある、

居合切りの名人小政は元魚屋で、鉄砲鍛冶の関東綱五郎は一発だけ弾の入った拳銃を持っていたということを知る人は少ない。

次郎長の場合は お蝶さんに愛され 子分たちに信頼され 民衆にも慕われる人気者だから、その人間性を過大評価されて後世へ語り継がれたとも考えられるが、それなりの魅力を備えていたことは確かである。

男に惚れられるような男だから 女にもモテるのである。

次郎長は五十歳を過ぎてからも 賭博一斉取締りに引っかかったが 明治政府の要人榎本武揚や山岡鉄舟らとの親交があり、三代目お蝶さんが当局へのコネクションを使って奔走したおかげで 何とか釈放されたというような記録もあるから いい歳こいても博打だけは止められない、所詮は懲りないヤクザ者であったことは否めない。

こういう不良性?というか 完璧とはいえない部分が人に好かれる要因になるのである。

現代でも同じだね、

リーダーは 基本的にアタマが良くて能力の優れた人でなければ務まらないが

上司がアタマ良すぎて完璧だったりしたら 職場はピリピリして息苦しくなってしまう。

多少のボケやドジをする上司のほうが なぜか人気があって部下も能力をだせる。

(そのボケにも程度の問題はあるけどね・・・)

部下の能力を発揮させるのが上司の能力である。

忙しいとか やりづらいとか 疲れるとか・・・

仕事帰りの居酒屋で上司を肴に酒を飲める職場は どちらかいえば幸せで、文句や愚痴をいいながらやっているのが 一番いいときなのです。

リーダーの側からみれば 支持率30%なら合格、50%なら大成功である。

人間社会とはそういうところだ。

嫌われたっていいじゃないか・・・の勇気があれば、本当の自分が見えてくる。

最終的には 自分を理解してくれる友は一人か二人いればいいのだ。

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次郎長は 幕臣屈指の剣術家無刀流山岡鉄舟に稽古をつけてもらっていた、

次郎長のほうが年上だが 若い鉄舟を文武の師と尊敬し

鉄舟もまた次郎長の人間性を高く評価していた。

山岡鉄舟は あるとき親友の勝海舟とこんな会話をしている。

鉄舟「俺の弟子に清水の長五郎という博打うちがいるが、これがなかなかの人物だ、礼節重く 人情厚く、子分や町人たちに損得勘定抜きで慕われている・・・、人心を掴むことについては旗本の俺たちなぞ足元にも及ばない、 

剣の腕はまるで素人だが 一直線の気迫で打ち込んでくる、

道場では赤子扱いだが 真剣では立会いたくないな、なにしろ俺は人を斬ったことがないが 奴は人を斬ったことがあるからな」

海舟「そりゃお笑いだね、お前さんほどのサムライでも一目置く町人がいるってぇのは嬉しいね、日本は面白くなりそうだ、これからは家柄や身分じゃねぇんだ、サムライだけが政(まつりごと)をやる時代じゃねぇってことだよ・・・・」

(勝海舟は武士なのにベランメエ口調で喋る、江戸っ子だということもあるが武家社会の古い格式が気にくわねぇ・・のである)

徳川幕府の重役(海軍奉行)勝海舟と 同じく徳川の直参旗本山岡鉄舟、

保守的な幕臣の中にあって、柔軟な思想の二人は このとき既に封建制度の終焉と民主主義の到来が近い将来に迫っていることを予感しているのである。

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ところで 勝海舟と山岡鉄舟って、歴史的にどんなことをした人・・・・?

時代が激変するときは必ずヒーローが出現する、

世の中は手をこまねいて見ている人ばかりではないのです。

幕末~明治維新、日本史上最も激動的な時代に活躍したのは

坂本竜馬・西郷隆盛・木戸孝允・・・など、まだまだ沢山いるけれど、

後に高く評価され ヒーロー扱いされるのは どちらか言えば徳川幕府を倒して明治維新を成し遂げた改革派の人たちです。

私の子供の頃は 鞍馬天狗にやっつけられるのはいつも新撰組で、坂本竜馬や桂小五郎はいつも善玉で 幕府の侍はいつも悪役だった。

どうしてか?・・・

単純に言えば 薩摩・長州の官軍が勝って徳川の幕府軍が負けたからです。

「勝てば官軍(勝ったほうが正しい・・・という意味)」の言葉はここから始まった。

ところが 最近は新撰組の人気がでてきたね、 

善玉完全主義では つまらない・・・・時代の波に逆らって壮絶な青春を送った土方歳三や沖田総司の生き様がカッコいい・・と

現代の若者にも認められるようになったようです。

テレビで香取慎吾ちゃんが近藤勇をやったからかもね・・・

不良オヤジの雑学は メジャーよりマイナー嗜好だから

負けた徳川サイドにも人材がいたとか、あまり知られていないお話をします。 

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シャガ(あやめ科)の花

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