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涙の素質 ・昭和のこども

2月15日 クモ膜下出血で倒れ、3月18日眼が覚めるまでの一ヶ月間、オレは娑婆とあの世の境界線を気持ちよく漂っていた。 それは最高に気持ちの良い爆睡、夢の世界だった。 ポーニョ・ポニョ・ポニョと 空中を泳ぎまわっているような理想の睡眠。

今までに味わったことのない心地よい眠り、・・・・それが突然の大音響や爆笑で一気に現実へ引き戻される。  もしかして・・あのまま眠っていたら・・・・? 天国の入り口直前で 引き返してきたのかも。

いいじゃない (詩荒木とよひさ 曲堀内孝雄)                                                  (途中から)

嗚呼 天国へ行ける夜汽車があれば                不幸は後ろをついてはこない

いいじゃないそれでも わたしはわたし              誰かが綺麗だと誘ってくれたら

嗚呼 もいちど生まれ子猫になれば               不幸も知らずに眠れるけれど

いいじゃないそれでも 明日はあした                誰かが素敵だと 拾ってくれたら

テレビドラマのエンディングに流れた曲、ちょっと聴いただけで もう涙ボロボロ・・・、

悲しいねぇ、よくこれだけ寂しい詩が作れると感心するね。

ここでまたちょっと脱線の昔話になるが             小学生の頃だった、「三丁目の夕陽」より少し前、戦後の食糧事情の悪い東京で育った腕白時代、かわいい仔犬を拾って、コロと名付けよく遊んだ、ある時その愛犬コロが死んだ。 

オラは犬小屋の前に ごはんを供えて毎晩泣いていた、       「男が泣いてはいかん、泣きたいのはこっちのほうだよ、子供に腹一杯食べさせようと大人は満足に食ったこともないのに、日本男児がそんなことだから戦争に負けたんだ、このバカヤロ」{そこまで責任追及されたら辛いよ?!}

母とお婆ちゃんと同時攻撃で怒られた.ガキのころから泣き虫の素質があったのだ。  でも一羽だけ飼っていたチャボ(ニワトリ)のクーちゃんの肉が食卓に出たときには いつも賑やかなのに 家族全員しょんぼりの晩御飯になった、 「食べなさい、お前のためにヒネッたのに、おまえの好きなクーちゃんの命を無駄にするな、喰ってやらないと供養にならない、クーちゃんが浮かばれないだろ、バカヤロ 」涙ぐんでいたらまたお婆ちゃんの一喝、

サスガのお婆ちゃんの目にも涙が光っていた。 サザエさんのマンガにも同じような場面があった。 昭和の子供はどこの家も 命の大切さ、食べることの大切さを体験し、大人がそれを優しく教えてくれた。  

コロもクーちゃんもオラの遊び仲間だった、クーちゃんを喰うのは悲しいと思った。  仲良しの友を裏切ってしまった・・・ 罪悪感が幼い心を痛めた。

昭和は悲しい時代だった。 貧しいのに貧しさを感じない、不幸でもないのに悲しい、肉が食いたいと肉屋へ行っても肉がない、そういうところが悲しい、悲しい時代に育ってきた自分が 今泣き虫になっている、昭和の子供たちの優しさの原点はこんなところにあった。 徳光さん・西田敏行さんがテレビで号泣する、皆オラと同じ世代で危険な大病を患ったから 明日は死んじゃうかもしれない・・・と、人生を振り返ってしまうからだ。 オレは思い出の保存料が莫大だから 涙の容量も果てしない。   

ならばカッコいいけれど、単に誰でも歳をとると寂しくなっただけのことかもね。NHKの朝の連続ドラマで お婆ちゃんが孫に「子供の時に泣くのを我慢した子は 大きくなってから涙がいっぱい出るようになるんだよ・・・・」と教えるセリフが印象的だった。 年寄りはたまにポツリと重みのあることを云う。

少年野球に燃えている頃だった、チームで一番のヤンチャ坊主に千本ノックをしたことがあった。 両方ともヘトヘト、一時間程狂ったように勝負して 終わるとさすがのヤンチャもダウン、グランドに座りこんで大粒の涙で泣き始めた、疲れたとか怖いからではない、頑張った、燃え尽きたのか・・・そこまで解らないが泥だらけの顔が 汗と涙でクチャクチャになっていた。 彼は泣き虫ではない、強い子なのに、・・・・達成感で泣いていたのだ。  それを見てオラまで涙したこともあった。

この夏、オラとしては頑張り続けた、足腰がガタガタになるほど歩き続けた。 燃え尽き症候群?・な~んちゃって、まだ不完全燃焼だ、白い灰になるまで燃え尽きてみたいだけ、やりたいことも食いたいものも まだ沢山ある、

2日間の集中治療室と三日間の個室、そして一般病棟でも 爆睡とビックリして目覚めるのを繰り返していた。 ICUの時から オラには四人の担当看護師さんが付いていた、これがメッチャ明るい、天真爛漫、明朗活発。                        「GAGI GU? PAあばひゃ? ◎α※○で~す・?」

何かをとりに走って 大慌てで戻り カーテン開けると同時に報告、

「何? 今何云ったの? 落ち着いて ちゃんと喋りなさい・・」婦長さんか主任さんか指導者格のベテラン看護師さんに叱られても平気。

「バーカ! ワケわかんねぇこと喋ってウルセェよ、おまえは宇宙人か?・・・」

オラも同時に文句云って・・・これは自分的には笑えた、娑婆は面白いことがまだあるじゃん、これなら娑婆も捨てたものではない。 自分の笑いと同レベルで楽しませてくれたこの四人の担当者のドタバタエピソードは沢山ある、(ネタ切れしたらまた使うかも)

この騒がしさが 入院初期から ずうっとオラのクレーム対象だったが

この二組の天然元気コンビに影響されて オラの快復は早かった・・・明るさに「感謝」

散歩すると大病の初期のことまで思い出しては 「みんなアリガトウネ・・・」また涙になる。 それにしても この涙もろいのは何だろう?  彼女たちは箸が転んでも可笑しい年頃なら・・・オラは箸が転んでも泣きたい年頃になったのか?

「笑って笑って 歩いていこう いつも笑顔でいられるように」

偉大な自然に「願い事」をしてみたかった、例えば夕陽を見つめながら、例えば山の頂上から下界を眺めて 人間の存在が小さなものに見えるような景色の中で、 一心に ただひたすらに心の中で合掌して「願い事」をしてみようと思っていた。

それにしても あの時の眠りは深かった、気持ち良かった、この世とあの世の中間層があんなに気持ちのいい空間なら 天国に行かれなくてもいいじゃない、いつもお笑い系で暮せるなら・・・・、オレにはあそこが格別の天国だ。 

Photo  

川和富士の頂上から富士山に沈む 美しい夕陽が見える。       ◆禁煙は二ヶ月経った・・・、最近は元気ないよ、夏場の頑張り過ぎか 脚の肉が落ちて痩せてしまった、これは脂肪が燃えたから・・・これから筋肉が付くそうだ、今は締った身体になったらしいけど、顔とアタマはしまりがない、すぐに笑いすぐに泣く、腹もぽにょぽにょ・・・風邪引きそうになったり 燃え尽き症候群? 辛いねぇ、健全な肉体に宿る健全な精神を保つには 一服くゆらせるのが一番なんだけどなー。  この艱難辛苦を乗り越えるのが修行だろ。 オラは今禁煙という体に悪いことをして苦悶している、支離滅裂のでんぢゃらすオヤジになりそう・・・? 義理が廃ればこの世は闇だ、心配してくれた周りの優しい人たちを裏切ってはならぬ、義理と人情で頑張るドー!そのうち何とかなるだろおぉぉぉ・・・、アバウトでも成功する、簡単だ、やめればいいのジャ・・・・自分を激励しているのであります。    明日12月3日はCT検査に行く、何もなければいいけど 何かあってもなくても 結果は来年、また報告するよ。 「がんばらなくていい」このワードでネット検索すると「花猫日記」感動的な詩に出逢った、いい加減な不良オヤジにはぴったりの詩、来年も呑気に ボチボチと、年末・お正月には旨い酒が飲めるなら がんばらなくてもいいじゃん、元気で生きてさえいれば****寿命ですから・・・

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