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オレ流少年野球(2)

◆おんなおとこ    

子供は余計なことを考えない、ことばも行動も目的に向かって一直線なところがユニーク、子供の良さである。  例えば 試合が終って解散の時、まっすぐ帰れよ・・・、まっすぐ帰るとぶつかる・・・?、 髪の毛伸びた、頭切ってこい・・・、切ったら血が出る。  ひょうきんなのもいる、ああいえばこう言うやつもいる。  リーグ戦の最中、N小学校からT小学校へ移動するとき、次の試合まで一時間しか時間が無い、 大丈夫、近道知ってる・・・、子供たちに付いてゆくと直線の最短距離を進むのである。 よその家の塀を乗り越え、庭を通り、小川を渡る、迂回して 橋を渡るなんてことは眼中にない。

家主に咎められたらどうしよう? 確かに最短距離は時間が短縮されることを学んだ。

女の子が三人いた、活発である。 とこ・ちこ・ひな、トコとチコはマネージャー、得意なレパートリーはペッパー警部、大人から見るとかわいいアイドル三人娘だ。  男の子にも芸達者がいる、キャンプファイヤーで「北酒場」、「渚のシンドバット」、子供たちはノリノリで手拍子の大合唱になる・・・、オレはこれが理想だった、こんなチームにしたかった。 引越しで静岡へ転校する子のお別れ会、あっちへ行っても野球やります、みんなありがとう・・・五年生のレギュラーで 次期主将候補、なかなかいい選手だった、挨拶中に涙がポロリ、 それを見て こっちまでジーンとくる。 お別れの歌「また会う日まで」をやるという、♪今日の日はさようなら また会う日まで・・・キャンプファイヤー、子ども会的には これをやるかと予想したが 子供たちが唄ったのは ♪また会う日まで・会える時まで 別れのその訳は話たくない、・・・・・オレの弟子たちだ、これでいいのだ。   何処で覚えたか知らないが 泣かせることをしやがる、監督もコーチも 涙もろいのは大人のほうだった。  

ヒナは時々実戦に出ていた、小学生は女子のほうが体力的に男子に優ることもある、 豪快なバッティングをする。  三人ともかわいいから・・?!・、「えこひいき」、「えんがっちょ」・・・子供たちに冷やかされても関係ない、少女趣味ではないが 女の子を大事にするのは男の本能である。 

昭和の子供、小・中学生くらいまでは男子と女子が仲良くない、男女は一線を隔てていた。男子と女子が手をつないで歩くと「えんがっちょ」なのである、ベルリンの壁があった。  高校生より大きくなると異性に興味を持つ、経験的には18歳過ぎると女が愛おしくてしょうがない、ガールフレンドがいないと落ち着かない、常に恋人募集中であった。 

子供の野球に男女は関係ない、九人いれば女の子だけで試合やらせたいくらいだった。

あるとき三人が私に悩みを打ち明けた、おとこおんな・・・と皆に言われているが「おんなおとこ、おかま」といわれて納得できないよ・・・、確かに国語的には おとこおんなは♀、おんなおとこになると♂という意味である。  彼女たちにも「女」の誇りがあったのだ、女の子の片鱗を少し見せた。  練習試合、彼女たちがスタメンで出たあと 残りのレギュラーたちに冷やかされて「おんなのくせに野球する、おんなおとこ」と罵られた・・・。

何故かオラはアタマにきた、試合に出られなかった「男たち」を並べて 怒鳴りちらした。皆引っ叩かれると思ってビビッていたが、いつもは口より先にげんこつが出る、感情的になるのはこっちのほうだった。 「お前ら 女に負けて悔しくねぇのかよ、おんなおとことか おかまとか? 女の子を口で苛めて スタメンとられて・・お前らのほうが「おんなおとこ」じゃねぇかよ、お前らそれでいいのかよ、バカヤロ、」・・「??????・・」殴られる?皆緊張していたが 何もしないで歩き出したから唖然としている。 「叩かないよ、女より弱いおんなおとこは 叩かないよ、 叩けないからオレが悔しいよ・・・」   

帰り道に応援団のお母さん 「監督さんはいつもニコニコ優しいのに あんなに顔色変えて怒ったの初めて見た、あんな怖いとこ初めて見た、いつもなら叩くのに 何故叱るだけで終ったの?」オカマ・・と云った子のお母さんだった。 今あいつら叩いたらオレが泣きそうだから・・・家に帰ってから親がぶん殴ってやってほしい、仲間同士で揉めるのが一番嫌だから、子供たちが整列しないのはオレがダメだから・・・そんな内容の話にお母さんのほうが感動してしまった。 偶然かどうか知らないが いいとこ見せる結果になった。 夜電話が来た、監督が皆をどれだけ心配してるかを子供に伝えた、監督に殴られるのは慣れているが お父さんにやられて相当身にしみたようです・・・ありがとうございました。  一列に並べて横面を引っ叩く・・・、まるで軍国主義のようで、父母のいないところでしか出来ないことだ。 わが子の叩かれるのを見て 親はいい気持ちしないよ、こっちが遠慮しただけだ、叩かないのではない、叩ける状況でなかっただけだ。  そこまで計算しない、成り行きで啖呵きってみただけで支持率急上昇、次の試合からは父母の応援団が激増した。

少年野球とは ホットな大人とクールな子供の戦いだったのだ。   私は幸運だった、野球哲学はあったが 実践してくれるのはコーチたちだった、良き仲間に恵まれていた。

チーム全体が同じ方向を見ていた。  感情的になりぶん殴ったり 喜びのあまり抱きしめたりして、その理由を子供に伝えるのはコーチだった。  オラ何もやってない、おいしいとこだけ廻ってくる、 人生には「花」の時期がある、努力しなくても良い方向へ事態が動く、幸運が付いて廻る時期があったのだ。  「勝つ」ことが幸運ならば、もっと勝ちたかった、オレは勝負師でない、肝心なところでイマイチ止めが刺せない、それが悔しい、方向違いのところではいつも幸運だったから 何となくトータルすれば幸運だったのかな。    

◆我がレッドイーグルス、全盛期には部員が百人を越えた。 少年野球で強いチームの条件は 体格の大きい子を揃えること、人数が多ければ 素材も沢山いる。  毎年春先新学期には新人が入部してくる。  入試が許されるなら体格や運動能力のテストをしたいくらいだったが 諸事情で断ることは出来ない、全部合格だとスタッフが大変、募集の締め切りを短くして制限する、贅沢な悩みであった。

様々なタイプの子がやってくる。 自分も含めて基本的に皆親ばかである。 

色々あった、我が家へ直接訪問してくる親子もいた。  うちの子は左投げですから投手が向いていると思います・・・父親はポジションまで希望する、将来は甲子園からプロ野球・・・未来を想定して来られると辛い、ポジションはこちらで決めますから・・・丁重に 納得させるのに一苦労である。 (うちは左投手に不自由してない、左がどうのこうのじゃねんだよ、大吟醸の一本でも携えてくればオレはどっちにでも転ぶ、そんな程度の監督だから、主戦投手で四番でもいいんだよ・・・)現在のオレなら これが言えたかもしれない。

体の小さい虚弱そうな子のお母さん、一年間鍛えてください、体力つけて強い子になってから勉強に集中します、・・入団と同時にFA宣言である、目標は受験勉強、目指すは東大、野球で体鍛えてから勉強する・・・!??中・高・大学までのビジョンができているのだ、背筋のしゃんとしたお母さんだった。 子供と大人の区切りをつけるような感覚、徴兵制度のように ある時期体を鍛え人間を磨く、それを乗り越えて大人への道を歩む・・・?? 

恐れいりました・・・である、オレにはそこまで考えつかないよ。  5年生になったとき そのお母さんは大きな袋に高級な酒の肴を手土産にやってきた。 お蔭様で体力つきました、精神面も強い子になりました、これから勉強に没頭します。 潔く退部の挨拶にきた。 厳格な母の姿、サムライの母、武士道のようなものを感じた。 立派なお母さんだ、でも勉強しなければならないあの子は可哀想、・・・勉強より野球のほうが面白いでしょ・・・(^.^)

Photo_2  かわせみ

★ 読者様へ 素敵なブログを紹介します。

サイドバーのマイリストに「フラワー大好きさんのブログ」をリンクしました、信州美ヶ原の中腹 ススキ川の渓流釣りの時にお昼をご馳走になった「かけす食堂」です。 きのこうどん、旨いよ・・・山の四季、花の写真がきれいに編集されています。 心癒される美しい写真が満載です、ブログのお手本だ。 オラのはなかなかうまくいかんけど・・・

日本の自然を感じます。オリジナルの珍しい料理の写真も・・・・、是非お立ち寄りください。

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コメント

サトナカ君  お前らのチームは特別ユニークキャラだったね、マンガみたいなのばっかりだった。 三本間に挟まれて「タイムお願いします」て奴もいた、タイムが認められるわけネェダロ・・・・? 草野球ならピッチャーゴロ打ったらオラもタイム要求するけどね。

名選手はいなかった、ドヂなのが多いが声が出るからまずまずだった。 優勝候補でないから 気楽で楽しかったよ。

投稿: myway | 2009年7月27日 (月) 19時54分

野球の話は面白い。当時の俺にはわからなかった大人の気持ちがよく伝わってきます。

投稿: 164 | 2009年7月23日 (木) 14時12分

そーですね、口は達者ですから・・・あの頃も ベンチで拡声器持って 口だけで指導してたから・・・今でも出来ますよ。 でもユニフォームのズボンが履けるかどうか・・・・?

投稿: myway | 2009年7月21日 (火) 15時16分

いい時の監督、親と子を、うまく出来た時代でしたね、元気があれば今一度、今の子供たちをしごいて欲しいですね。   むらかみ

投稿: むらかみ みねあき | 2009年7月21日 (火) 13時11分

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