« 時は巡り また夏が来て | トップページ | 読書の夏・晴耕雨読・myself »

オレ流少年野球(5)幸せの時(PART.3)

オレ流少年野球指導法

春休みだった、関東大会の開会式、所沢西武球場へ百人の子供たちと大遠征だった。

人工芝は予想したより安っぽいのが印象的だった、ベニヤ板の上をペコン・ペコンと歩いているようで・・・。

地元へ戻ってから練習、日曜日の一日仕事になった。  前夜は校長室で校長先生とサッカークラブの若い先生と三人で酒を呑み、近所のスナックを二軒はしご、深夜二時頃の帰宅になった。 校長先生は五木ひろしが好き、野球とサッカー部がグランド使用の調整をするための会議が いつのまにかカラオケ大会になっていた。

地元へ戻ってからいつも通りの練習、ノックバットが重い、体が重い・・・何かおかしい?

劇症肝炎で緊急入院したのは その日の夜だった。

皆に世話を焼かせ 心配かけているのは監督だった。  見舞いのお母さんたちに「体壊すまで 何故そんなに戦うの? 無理しないで・・」異口同音に心配してくれる。 私は弱いですから、負けるのが怖い、戦うのがとても怖い、ベンチから逃げ出して帰りたくなる日もある。 ベンチででーんと座って、そんな風に見えないといわれるが 本当は腰が抜けてるからでーんと構えてるように見せてるだけだ。  

子供たちが見舞いに来るときが一番辛い、「監督 いつ戻ってくるの? 早く元気になってよ・・・」肩を揉みながら いつもの悪ガキがションボリしている、表現に乏しい彼等が精一杯に不安を伝えようとしている。   練習通りにやれば大丈夫、決勝までに戻るからがんばれ・・・ハッタリかまして安心させようとする自分が情けない、死んでしまったら・・・こいつら泣いてくれるだろうか? 彼等のために疲れ果て それが原因で死ぬのなら本望だ・・そこまで思う自分が哀しい。 皆に慕われて、心配されて、一番幸せなときなのに 子供たちが帰ると何故かひとりで泣けてしょうがない。  

病気は哀しいことだ、寝てる場合じゃねぇ、オレは焦った、一刻も早く復帰したいと神に祈った。 人生はシーソーゲームだ、良いことのあとに必ずピンチがやってくる。 

野球と同じだ。 

野球は過酷な競技だ。 精神的に過酷、団体競技は個人の失敗が勝敗に影響することがある。 野球はミスのゲーム、失敗はつきものなんだけど、そのミスが誰にでも分かる、責任の所在が明確だからである。  思春期の少年には特別な衝撃になる、サヨナラヒットを打たれた投手が マウンドの土をズボンのポケットに一握り入れた、ずっと昔 甲子園で実際にあった光景が後の人々に感動を呼び 負けたチームの選手が袋に砂をかき集めるようになった。

この砂は 現代ではダンプが運んできてベンチ前にまいて準備する。 砂の袋まで準備しているとか。 大人がそんなことするのはイヤな世の中だ。 少年たちの夢や 思い出に一握り持って帰ろう・・という人間性、成長した彼等の心に委ねればよいのに、大人がお膳立てするとは・・大きなお世話だ。

バッターボックスで選手は皆サインを見ようとする、

私の理想はサインが出るか否か、状況が分かる子を育てようとしていた。  二死満塁 フルカウント、監督ばかり見るな、いい球を打つしかないだろ。 こんなときにサイン出すオレのほうがビビルよ、マカセナサーイ、ヒット打ってくるね・・・そういう子になってもらいたいよ。 そこまで要求するのは酷かもしれない、未完成な子供たちだ。  甘やかさないといえば聞こえがいいが、オレが彼等に優しくなかったのかもしれない。  彼等の不安をオレが払拭してやればよかったと 後で反省し苦しむのはそこらへんだ。

自分のことばかりでスマンが(自分のブログだから)少年野球の指導者がこのブログに辿りついても 何の役にも立たないではつまらん、何かのヒントになれば嬉しいから オレ流練習法をいくつか紹介する。

監督・コーチは 子供たちにフォームとルールを教えます。 それしか教えられない。

打ったボールが外野の頭を越えるか 捕られてアウトになるかどうかは本人次第、スピード、パワーは本人の努力でしか向上しないのです。  スタンス、構え、グリップの位置、タイミング、ミート・・etc.脇を締めてとか・・・子供に専門的な技術論を教えてもなかなかマスターしない。

専門的な理論が必要ならプロのコーチに頼むしかない。

子供は 先ずバットを振れるようにすることからです。  うなるようなフルスイングが出来る子だけが 栄光のレギュラーに選ばれる。

子供たちには何度も言った。  引退後 講演会の時に親たちにも云った。

フルスイングするにはどーすればいいの? バット振る練習しかない、一日千本毎晩やる。 勉強もしなさい・・・、どーせこいつらするはずないが・・親の手前、勉強はいいから・・なんて云えないから。

沢山振るほど力が付く。

力つけるには・・・? お肉食べて、何でも残さずごはん食べて 大きくなればいい。 阪神タイガースの応援は六甲おろし、ヤクルトはなんで東京音頭なの?と聞かれても そこまでオレには判らないよ。 野球のことなら どんなことでも監督さんに聞けばよいと思った、ちょっときれいなお母さんの質問。 

水泳上手になりたい子はお魚食べるといいでしょ、子供的に単純な発想がいいのです。

余談  去年の入院中は担当のナース二人に あなたは牛乳のみなさい、どーして? おっぱい大きくなるでしょ・・・、タマゴも毎日食べなさい、どーして? 赤ちゃん沢山産めるでしょ・・・。 そんなこと発言するから婦長さんに叱られるが 二人とも本当に毎日牛乳飲んでいた、悪いこと教えていたのではない、健康的で楽しいことです。

かけっこ早くなりたい・・・馬の肉食え、空飛びたい・・・鳥の肉食え、ストレートに考えれば良い。 ダメな子のレベルアップより 優れた子を伸ばす、平均に平等に・・ではない、子供は自分と他の力量を認めている。

練習は主に打撃練習、紅白戦に時間を使った。 野球は「打つ」のが面白いゲームだから。 

私は右手のほうが左より長い、左右の肩の寸法が違う、その昔、結婚祝いに上司からイタリア製の高級背広生地を貰った、洋服屋が難しいと嘆いた、仕立て代のほうが高かった。  

ガキの頃から野球に関ることしかしていないので 成長期の骨格が変形するほど練習したからである、現役ではモノにならなかったが、 体型が変わるほど鍛えた子は 意外性がある、いつか必ずジャストミートすれば どこまでも飛んでゆく。

Photo_2

キャッチボール、本場では「プレイキャッチ」という、捕球の練習はつまらない、捕球は打撃練習の守備で充分。 投げる練習としてキャッチボールをさせる。 

大人の知恵とアイディアで 子供の遊び感覚を刺激する。 非力な低学年から20mの距離で投げ合う、基本は低い球を力いっぱい投げる、届かなければワンバウンドがいい、届かせようと高い角度で投げる、手前でバウンドするからアタマの上越えて それを拾いに行くようでは練習にならない。 速く低い球を投げるうちに肩も強くなる。  キャッチボールは捕球練習ではない、送球の練習、打撃練習と同じ、グラブでボール取る感覚がバットコントロールを磨く、上手になればバットでキャッチボールできるようになる。

トスバッティング、バットだけで出来るよ、相手がイチローなら。

捕手②、一塁③、二塁④、三塁⑤、遊撃⑥、内野手 だけで送球練習、★の形に投げ合う、

②・・・④・・・⑤・・・③・・・⑥・・・② 、②・・・⑥・・・③・・・⑤・・④、

これでワンセット、何秒で出来るか記録に挑戦させる、子供はこういうのが好き、嬉々としてやる。 送球相手に必ず声をかける、周りも指示する。

四人、五人ずつ 二組にグループ分けして 直線に並び ひとカゴ五十個くらいのボールをリレーで送球する競争。 勝った組がフリーバッティング、負け組みが守る、そんなルールにすると彼等は必死にやる。 単調でつまらないキャッチボールをゲーム感覚で競争させるのです。 大人の工夫で 練習を前向きに・・・(^.^)楽しいから夢中になる、へとへとになるまでやるようになる。

投手は・・? 速い球を投げる子、ストライクは三度に一度でよい、スピードは個性、コントロールは練習で上達する。

“ 鍛錬は千日の行、勝負は一瞬の行 ”

甲子園で優勝した 池田高校 蔦監督の言葉である。

私は この言葉が大好きである。

蔦監督のような野球を目指していたのである。

勝負事はなんでもそうだ、勝敗は 一瞬で決まる・・・、それは“ 運 ”を伴う。

“運”は“偶然”だ・・・、勝つのは 偶然がもたらす結果だ。

運という 人の力ではどうにもならないものを克服して、一瞬の戦いに勝つためには、

偶然を必然にするには、 千日もの鍛錬を 繰り返さなければならないのだ。

相手より1枚上では だめだ。

3枚も4枚も実力差がなければ、運など関係なしに、勝つことが出来ない。

横綱だって 大関や関脇と戦ったら、どっちが勝つか分からない、

相手が十両くらいだったら、初めて戦う前から 勝利を確信できる。

野球の現場を離れて約20年経った今、私には不思議な能力が備わっている。

豊富な経験が そうさせるのだろうか、

プロ野球でも高校野球でも、テレビを観戦している時に、

このバッターは ヒットを打つ とか、こいつはダメだ とか・・、

この投手は ここで抑えられる だとか、打たれる だとか、

選手の顔や 構えや、仕草など 見ただけで、

結果が予想できるのである。

解説者よりも、はるかに高い確率で、それが 的中するのである。

卒業した子供たちは野球の道へ進む子もいたが 夫々の道を歩んでいる。  

数年前に結婚式に招待された、レギュラー仲間が揃って 楽しい再会であった。

競馬の話題になった。 みんな大人になっている、嬉しいことだった。 あの頃は監督が怖かった、今は女房がコワイ、・・エライ!・・オレの弟子だ、そこまで真似するな。

彼等も夫々の青春を語った。 監督・長生きしてね・・・??コノヤロ年寄り扱いしやがって・・・でも もう殴れない、彼等のほうが強い。

私は幸運だ、良き弟子、良き仲間に恵まれて 燃えることが出来た。  みんな幸せそうで 私も幸せだ。   子供たちは「勝った」ことが思い出に残る、監督は「負けた」試合が記憶に残る、大人と子供の根本的に違うところだ。 それならば勝たせてやればよかった、オレの信念など なんぼのものでもない・・オレ流少年野球は チューハイにカルピス混ぜたような 甘くほろ苦い初恋の味もする??? 

もう一度云います、少年野球 強いチーム作るには

 部員の数を多くする、人数の多いところには良い素材がある。 体格のよい子を揃える。

 コーチの意見・方針を一つにする。指導者全員が同じ方向性で指導する。

 練習量の勝負、練習したほうが勝ち。

 バントの練習しない、1点取るのに監督が工夫するようではダメ、監督は伸びるが子供は伸びない。

 監督・コーチは 酒の練習もしないとダメだよ。

|
|

« 時は巡り また夏が来て | トップページ | 読書の夏・晴耕雨読・myself »

オレ流少年野球」カテゴリの記事

コメント

運がある・・・と云われるのが一番嬉しいです。「運」関係なしに力の差で勝つチームにしたかった、ちょっとワガママで贅沢ですかね。 岩手と新潟で決勝やったら面白かった。 高校野球も地域格差がなくなってきた? いい傾向ですね。 花巻東のベンチは皆笑顔が良かった、甲子園は爽やかでいいですね。
負けて泣くのは自然な姿、子供は皆同じです。 甲子園で試合できただけでも幸せ、大笑いでやるといい、でも、笑っていたらシマリないか???

投稿: myway | 2009年8月24日 (月) 04時42分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/73843/31056115

この記事へのトラックバック一覧です: オレ流少年野球(5)幸せの時(PART.3):

« 時は巡り また夏が来て | トップページ | 読書の夏・晴耕雨読・myself »