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あれから2年・冗談と笑顔

大寒も過ぎた冬晴れの朝、いつもの散歩道、冬木立の森を歩いていると

むこうから自転車に乗った ネエちゃんがやってきた。  

ニコニコしながら「あ~ら・こんにちは、お散歩ですか~、・・・今日は寒いですねー~・・・」

「はい・コンニチワー・・寒いですねー・・・、気をつけてねー、風邪ひかないでねー・・・」 それでおしまい。 すれ違って颯爽と行ってしまった。 オラも颯爽と歩きながら その場を離れる。 相手がネエちゃんだから とりあえずこっちも愛想よくニコニコしたが 誰だかわかんない・・・? あれー? 誰だっけ・・・?? 分からないけど・ま・いいか、ネエちゃんに声掛けられたのだから 気分は良いから とりあえずこっちも愛想良くするのは悪いことではない。

一月末、病院のロビーでも若い看護婦さんが二人やってきて、「アラ~!ジッチャーン!こんにちは 久しぶり~❤ 」 陽気で活発なギャルギャルした二人組である。

これも誰だか解らないが 手を振りながらやってくるから オラも手を振って ニコニコしながら「はーい、元気・・・?頑張ってる?」「???・・・それはこっちの云うことですよ、お元気そうですね、良かったわねー(^.^)、」「アリガトー、まだ生きてるからね、」入院中にお世話になったナースだが 名前まで思い出せない、ジッチャン扱いされても抵抗感じなくなってしまったところが ちょっと淋しい?けれど、孫娘世代だから仕方ないか??? 

ところであんた誰だっけ・・?と訊いたら・・ありえなくない?・・・まだ治ってないかも・・と言われそう。

相手が誰だか分からなくてもいいのだ、ネエちゃんなら??  この傾向は今に始まったことではないが。

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一昨年の2月、生死の境を彷徨うほどの大病に倒れ 泣いたり笑ったりしながら もう二年が経った。  あっという間だった、自分にとっては良くも悪くも 日々の出来事が 全てラッキーな思い出に残る不思議な時間だった。 時の流れの速いのは有難いことであった。 

若い頃の病気は舞い上がった、しっかりと向き合い、一日も早く治したいから病と闘おうとするが 熟年世代になると病気に対して無責任である。 舞い上がるのを通り越して ヤンチャな甘えん坊になる。  

のどかな冬晴れの日、横浜の海を眺め カアちゃんと病院の思い出を語りながら散歩。  水際公園付近、ここの景色は涙もろくなる、人生まで振り返る思い出多き特別な場所である。  二十歳の頃だった、木造の釣り船が並ぶ桟橋で 港の景色をスケッチしたこともあった、実らぬ恋もした、ヤンチャもしたな、病気もヤンチャのうちならばヤンチャばかりだった、いつもドヂで運に恵まれない半生だったが いつも良き友達には恵まれたな、純情な青春の思い出に ちょっと涙ぐむ・・・

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あれから四十五年、今、まるで違う自分がここにいる。  とりあえずネエちゃんにはニコニコする、調子がいいだけの いい加減オヤジになってしまった。  

優しくていい人だったのにね、後になって人からそう云われる「いい人」なら良かったのにね、いい人じゃない人だったから シャアシャアと生きている。 ずーっと冗談ばっかりで、病院ではウッザイおやじで誰にも信用されない甘えん坊の問題児?であった。

隣のベッドに高校生くらいの少年がいた。  小さい声で友達と電話「うん、ボク・大丈夫だから・・・ありがとう」、そしてお母さんがくると気弱になって「アタマ痛いんだよー」と泣く。 お母さんが「大丈夫・大丈夫だよ」と、励ます。  夜中になるとエーン・エーンと大きな声で泣くから 「どーしたの・どーしたの?」と、若い看護婦さんたちが ぞろぞろ集まってくる。  オレのとこを通り越して みんな彼のところへ行く、何でだよ? オレんとこにも来てくれよ!

いいな・いいなー・フレンドリーで いいなー❤ オレも甘えたいよ、誰かきてー!・・Take my hand..手でも握ってくれないかなー❤ ♪シアワセよ・ここに来ておくれよ♪・・それで死んだら理想的・・「・???・・」ダメですよ、ドサクサ紛れにチョッカイ出さないで! 一人でマジメに寝なさいと オレは何もしてないのに怒られる。  チョッカイ出すなら電話番号聞いてからだよ、但し三十年若ければな。

結局若い男はモテル、爺さんはヒガム?この差が悲しい。  

冬場はお肌が乾燥するから男の下半身が痒くなる、これは生理現象ではない「カイキン症(痒金症または皆勤賞)」という男性特有の皮膚疾患で痒み止めの軟膏で治療する。 痒いけど掻いてると恥ずかしいから人に見られないように掻く???これを「キンキラキンにさりげなく」という(ビートたけしのネタですけど)

布団の中で「さりげなく」をやっていたら 巡回のナースが急に布団剥がして「コラー!」と また怒られる。 そんな・疑惑の目で見ないでほしい、痒いだけだ、あなたが予想する大胆なことまでしていない、だから誰か来てほしかったのに・・・❤???     

隣の部屋には「ヴォー・GAOW・・・と、満月の夜に吠える狼男みたいなオヤジがいた。 ただでさえ眠れないのに なんだあのヤロウは?・・ぶっ飛ばしにいってやるか」起き上がろうとすると「まぁ・まぁ、落ち着いて、冷静になってください、すぐに治まりますから」とそばにいたナースが必死に制止する。  あのオヤジより オラのほうが よっぽどデンヂャラスかも ?  

病棟は悲しいドラマが沢山ある場所だった。 

あの悲劇の環境で オラは何故かひとりご機嫌なお笑い系無法者だった。 

辛そうだったねあの子、もう良くなっただろうか・・と、二年前の悲しいことまで思い出す。  他人の子でも 彼は同じ部屋で同じ病と戦う戦友だ、命は若いほど美しい、元気に復活していてほしいと 祈るような気持ちになった。

Photo_3 救急車の中でも冗談云ってたよ、真実だったのは病気になったことだけじゃないの、

ヤンチャでみんなに迷惑かけるのが心配で ハラハラして疲れたのは女房だけ、オレだけこんなに元気でいいんだろかと 周りのみんなが苦労してるのに オラだけ苦痛を体験していない、日々ハッピーやってるからバチが当りそう??    

毎日元気に歩いている自分のラッキーがまだ不思議である。  結果オーライだから こんなもんで いーんじゃないの。  ダメ、シャンとしないとね。 そんな大昔のことを憶えていながら お世話になった人の名前を忘れてはいけないね、それがみんなへの御恩返しだ。  二十歳の夏に歩いたこの桟橋は「みなとみらい」のビル群も見えない景色だったが 海の色と匂いは あの頃と変っていない。     

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◆読者各位、病気の報告、2月15日で三年目になる。  定期的に続けている検査も問題なく 非常に順調に快復しています。 お蔭様で肉体も心もラッキー&ハッピーで キャラも変らないからシモネタも順調であります。 暗くなるよりはいいがハッピーばかりやってるのもアホですから たまには真面目にならないとね。

 もうすぐ春ですね、暖かい穏やかな日差しを浴びながら またこの海を眺めて 病棟のみんなのことを思い出してやれば 優しい気持ちになれるよ。 

とりあえずいつも笑顔で 長~く元気でいられるように 精進しよう・・・と、思うのであります。 

 時間の経過とともに「幸運」が実感できるようになった。 今年も新年から毎日沢山歩いているので 古希はまだまだ先だけど 身体はコキコキ鳴る時もある、??

この二年間、自分では良い事沢山あったから そろそろここらで多少のバチが当っているのかもしれない。   

 

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