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秋時雨 

★このごろ情けない話

◎秋は夕暮、夕日のさして、山の端はいと近うなりたるに、烏のねどころへ行くとて、三つ四つ、二つなど飛びいそぐさへ、あはれなり。まいて、雁などのつらねたるが、いとちひさく見ゆる、いとをかし。  日入りはてて、風の音、蟲のねなど、はたいふべきにあらず。 (枕草子原文)

◎奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の 声聞くときぞ秋は悲しき (猿丸太夫)

この鹿は 寒いよ、食べ物もなくて切ないよ・・と冬の到来を知っているから 心細くて鳴いている・・・・オレ流解説

◎時雨るや白髭言問吾妻橋、(隅田川に架かる橋を並べただけ)。時雨るや銀座赤坂六本木、(繁華街を並べる)、皐月優駿菊花賞、(三歳クラシック)。 「しぐるるや」は万能の枕詞である。
山口瞳さんのエッセイ、俳句の会で 行き詰ったら、「時雨るや」を使うと なんとなく格好よくなる、しぐれは 春でも秋でも 四季を通じて「季語」になる. 哀愁を漂わせる。  更に行き詰って絶句したら 「勉強して出直してまいります」 これは落語のネタ。  

いいこと教わった、オラだったら 「秋時雨 いぼ痔腰痛五十肩、」 これでいいだろ。 

秋分過ぎて 秋の長雨、これが時雨である。  秋の雨は寒い・切ない、冬の雨より風邪引きやすい。

先週の木曜日、雨上がりの朝、秋の日差しの中に赤とんぼが飛んでいるのを見つけて ほっとしたよ。 プールは気持ちいいが 競泳コースで婆さんに抜かれてゆくとは情けない。 負けてたまるかと意地になって頑張ると筋肉痛になるから 情けない。  平泳ぎは疲れる、進まない、イメージ通りに体がなかなか進まない、北島君を目標にしたのは無理があったか。  元気元気とはったりかましても 年齢と共に体力の衰えを感じる、病み上がりの肉体に 秋は哀しい季節です・・てことが この頃になって判ったよ。

Photo_2  ◎こぬか雨降る御堂筋、(雨の御堂筋)一人で生きてくなんて出来ないと(大阪時雨)、 心が忘れたあの人を 膝が重さを憶えてる、(雨の慕情)、みんな秋の雨である。  雨の歌を思い出して切なくなるとは 情けない。         ◎口幅ったい言い方ですが王貞治としてのバッティングが出来なくなった、 ◎体力の限界、気力も・・・云々(千代の富士)。  王貞治、千代の富士、引退の弁である。  オラの場合「人生トータルにみて 仕事ばかりで終わりたくない、遊ぶ期間がほしいから・・・」ナンチャッテ、格好いいこと言って ご隠居さんに憧れていた。 人生は花よりも紅葉の時期が晴れがましく幸せなこともあるのです。  一生懸命やってきた、充実していたからだ。 あれから八年、大病に倒れたり足腰痛めたり、遊ぶヒマがないほど 病気という闘う相手がいるから充実とは・・・情けない。    

余談(横浜ベイサイドストーリー)、昔話になるが 大学四年の秋だった、卒業できるかどうか 不安でドタバタしている時期だった。 あなたに告白したいことがある・・。  晴海の海を眺め、真珠取りのタンゴを聴きながら バイト仲間の女子大生ヨーコがマジ顔で言う。 告白・・? 好きだっていうのか・・?(オレに惚れたかと好意的に受け止める体質?) オヤジの仕事の関係で 来週中米パナマへ行く。 多分戻らない、永住する・・・、 成人式の振袖が良く似合う、枕草子「いとをかし」読んでた彼女が外国で暮すとは知らなかった。        当時の女子大生といえば 大体がお金持ちの娘か抜群に成績優秀かのどちらかである。 お金持ちではあったが優等生だったかどうかは疑問、男も女もオラの友達は皆遊びの達人、勉強は・・? アホばかりだ。

冬は赤倉のスキー場から、夏はシシリー島から・・・毎年旅先からの絵葉書が来る、 遊びまわりやがって、オレは貧乏だから・・目一杯バイトしても草津あたりまでだ、行きたくても地中海は無理だな・・と、遠い存在の女だった。     しかも地球の反対側、一番遠いところへ行くなんて、ふざけやがってと 少しはがっかりしたよ。 でもそこそこに美人だから恋人気分、よく横浜の銀杏並木を歩きながら語り合った。     

別れは横須賀の波止場だった、父母と三人でアメリカの軍艦に乗って、船上でオヤジが敬礼した、オレも真似して敬礼した。 船が速くて あっという間に行ってしまった。 ヨーコは手を振って何か叫んでいたが 聞こえない。 涙はなかったが 雨が降ってきて寒かった、 これでは逆だよ、 映画ではこの場合 男が船に乗って女が桟橋で見送るのが普通だ。 情けない思い出だよ、船が見えなくなってから小便我慢してたことに気がついた。  港町を歩いて安そうな酒場に入った。 腹が減って、なにか食べたかった。  客は外国人が多かった、多分米国海軍の関係者であろう。  ガヤガヤとやかましい連中だった。 生バンドが「アレキサンダーズラグタイムバンド」を演奏して、酔っ払いの客が踊ったりしていた。 突然アメリカ国歌が流れると 皆お喋りをやめて直立不動になったから オラどうしていいか分からない、場違いだ、日本人には理解し難い異様な光景だった。  トイレいって小便してから すぐに店を出たよ。  横須賀中央の駅から東京までの時間が 凄く長かった。

Photo_2 紅葉葉楓(アメリカフウ)

あれから四十五年、実はこのときからお尻に違和感があった。 オラのぢじょでんの第一ラウンドである。寒くて寂しくて、結構切ない秋時雨だった。 別れも寂しいが雨と寒さが辛かった、 今では彼女に感謝している、良き思い出作ってくれた。   

秋時雨と痔との因果関係はないと思うけどな。  無理をすることが多かった、勉強も仕事も 女の尻を追いかけながら、告白の練習はこっちがしたかった、何かにつけて背伸びする先天性が 痔との付き合いを長くしていたのかも。(原因を探ってもしょうがない、要は痛かったら病院行ってお尻出せば良いのだ)   

秋になるとセンチメンタリズムでしか青春を語れない、これも情けない話であるが 感傷というよりも 人生色々あったから 病気も充実している、色々出てくる・・と解釈したい。 

秋になって痔が痛む時 アイツ・生きてるかな・・・と、たまには思い出してやらないと 告白してくれた女に申し訳ないよ。 それが日本の義理人情だ。

秋の雨はメランコリーであるが 赤とんぼや紅葉に出会うと 幸せ気分になる、それが日本の「いとをかし」だ。

やはり雨はイヤですね、晴れた日がいいですね。

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