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はまひるがお

         五木ひろしの歌で 浜昼顔、

♪「家のない子のする恋は 

たとえば瀬戸の赤とんぼ 

ねぐら探せば陽が沈む 

泣きたくないか日ぐれ径 日ぐれ径 

囲碁将棋クラブの仲間で カラオケで必ずこれを唄い、だんだん感極まってきて 涙声になるオヤジがいた。 寺山修司さんの作詞であるが いい詩だねえ・・と、あまりにもヘタクソの歌には触れず 歌詩を褒めるしかないのであった。  

毎週野球に明け暮れ、釣りに競馬、囲碁クラブ、夜は酒の集まり、毎月東北へ出張しながら 過密スケジュールをこなす公私共に忙しい三十代であった。 

仙台から北西へ、バスで二時間ほどかかる山間部の農村地帯、中新田という町があります。 ナカニイダ・・といいます。   バスには自分を含めて客は五人くらい、田舎道で腰の曲がったお婆ちゃんを乗せて、( 田舎のバスはタクシー並で歩いてる人はどこでも乗せる? )  一人くらいは増えるが 終点の停留所を降りると 農機具を並べた金物屋が一軒あっただけで 民家とブタ小屋くらいしかない、なんにもない畑しかないところだった。  彼方に見える大きな工場まで4㌔ほどの細い道を 重い鞄を持って歩くのである、自分流奥の細道?・・・一句詠む状況ではないが。

テレビもラジオも何にもネエ・おらこんな村いやだ・・・と言って東京へ出てくる若者の気持ちが判るようなところだった。

仕事とはいえ 何でオラこんな田舎道を歩いているんだろ? と、 情けないほど殺風景な道を一人でテクテク進む、 心細くなるような田舎道だった。 同じ東北でも釜石あたりの 製鉄所の煙が充満した埃っぽい町よりは のどかな田園風景で空気の美味しい 自分としては好きなところだった。 

ある時 帰りが夕方になった。 遥かな山並みが夕焼けに染まり、田んぼの水路に赤とんぼが飛ぶ、・・・仙台へ戻るバス亭に向かいながら 童話の絵本でみた 水彩画のような景色を眺めて 浜昼顔の歌を口ずさんでみた。  旅の途中だ、オレは家のない子だ・・・?今夜の宿も決まっていない、 ねぐら探せば日が沈む・・・・?  泣きたくなるって こんな状況かな?と思う前に 本当に泣きそうな自分に気がついて・・、顔まで五木ひろしの真似をして?  なにやってんだオレ?アホか?  畑の真ん中で? 今度は笑い出したりしていた。  

青森で生まれ 競馬を愛した詩人・寺山さんの詩 浜昼顔は こんな景色の中で生まれたのか・・と思ったりしたのである。

今になって振り返ると 我が青春は最北端宗谷岬から桜島まで、旅行会社の営業並によくあちこちと歩いたものだ。 今はリハビリで歩いている? 寺山さんほどの才能があれば 昭和の日本紀行・長編旅行記を書ける環境に何度も巡りあっていたのである。  アホだからそれに気がついていなかっただけなのだ。 記憶に残るのは土地の人との会話や景色の方だから・・、本業のほうは 昭和の高度成長期の真っ只中に 日本各地を歩き回ることによって 世界に誇れる日本の技術力躍進に貢献していたのだ。〔自己PR?〕

         中新田・・ナカニイダ、東京の人には難読な地名である、

ついでに左沢・・アテラサワ、左沢線は山形から尾花沢方面へ行く旧国鉄時代からある路線である、これ知ってたら相当なツウである。

安達太良、千厩、八戸〔あだたら・せんまや・はちのへ〕・・これも東北の地名。 〔本場の発音にすると、はつぃのふぇ・? 文字で表現するのは難しい〕東北本線急行に乗ると仙台の手前は 白石シロイシ〔すろいす?〕である。 シライシと云いそうだが 実際に駅の表示はシロイシと書いてある。

勉強したからではない、 たまたま行ったことがあるから知っていただけのことである。  ナカニイダ・・も同じである。

百聞は一見に・・である、教科書の勉強は知識、実戦経験でなんとなく知ってしまったことは見識になります。 知識にはマニュアルがある、見識には個性がある、足まで使って憶えたことは めったに忘れるものではない、 それを忘れるようでは勉強しても何も身に付かない、俗にそれをバカといいます。 

川端康成先生は 実際に天城峠を越え下田まで旅をして 伊豆の踊り子を書いたそうです。 上越線に乗って清水トンネルを通過したから名作雪国が生まれた。 我が日本の美しい自然は 人の心にまで影響を及ぼして 歌や小説の背景〔故郷〕にもなるのでしょうか。 ならば点と線の松本清張さんは 東京駅13番線のベンチで座って観察していたのだろうか。  青森と新潟、酒はどっちが旨いかって? 

オレは言わないけど 呑んだ人ならいえるでしょ。 

地名・人名・・・、地方によって読み方の違う珍しい固有名詞は

まだナンボでもあるが 長くなるから次の機会に・・・。

Photo

5月5日、今年もまた アジサイ寺へ花の写真を撮りに行った帰り道、

道端の雑草の中に 昼顔が咲いていた。 ここは海から遠い山の上、

浜ではないから浜昼顔でないかも?  踏まれても大丈夫、強い、一生懸命に生きていた。 中新田の道で見つけたのは30年も昔だよ、そんなこと思い出しても偉くねんだよ、知りたいのは先のことなんだよ、ほんのちょっと先でいーんだよ、例えば今年のダービー馬、世の中は先がわかんねえから 面白いんだけどね。

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コメント

この度の震災は NEWSみるのが切ないですね、宮古、釜石、大船渡、気仙沼、名取、相馬、多賀城のコンビナートまで でてくる・・・懐かしいですが、? あの人は?無事だったのだろうか・?・など お世話になった取引先の人たちのことまで心配になって心が痛みます。 被災しなかった私たちは幸運を喜んでばかりもいられない、 被災者と同じ気持ちで頑張ろう・・と、復興を祈るばかりです。  

投稿: myway | 2011年5月12日 (木) 05時33分

中新田なつかしいですね、三条Fのお得意の鍛冶やが最初 何回目かに真冬に宿で酒が美味しかったのを思い出しました、この度テレビに地名が出た時ほかもそうですが いろいろ思い出していました。               むらかみ

投稿: m. m | 2011年5月11日 (水) 18時54分

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