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2017年11月

平成相対性理論

 

「ジュリアン・ ソレル・・・・だったかねぇ ?」

赤羽のお婆ちゃんが 自分の青春時代を回顧するように ぽつりと一言。

爺ちゃんは 婆ちゃんの こんなところが好きだったのかしら・・・と、自分も大人になってから 思い出すことが 何度かあった。  

婆ちゃんの家には 小さいが 垣根に囲まれた庭があって 百日紅の花が満開だった。 

百日紅は 夏の花、咲いている時期が長いから 100日くらい緑の中で赤い花が目立つ、幹も枝もつるつるだから 猿も滑るから・・・じゃないんだよ、

だから百日紅(100日の紅)と書くんだよ。    紅一点・・・というのは男の中に女の子がひとり・・・・・で、モテモテのことかと解釈していたが 雑木林の中でザクロが赤く咲いている の意味だった。

子供の目から見ると 二十歳くらいは もうかなりなおっさんに見える。 四十五十は 完全なおっさんで 言葉も通じない異邦人のようにみえる。  還暦過ぎた白髪の老人は もう浦島太郎や桃太郎の世界のお爺さんの感じ・・・である。  学校で習ったことよりも 婆ちゃんの一言から教わった知識は 一生自分の中に棲み着いた記憶になるのである。

もうひとつ 後になってから 何度も思い出す場面があつた。   帰る日の朝 おらはまだ布団の中で 爺ちゃん婆ちゃんが 同じ部屋の向こうの方で 朝ごはんを食べてるときの会話・・・・・「おいしいねぇ・・・・こんな旨い納豆 初めてだよ」 「ほんと 美味しい・・・毎朝納豆がいいねぇ」 二人とも 散々美味しいもの食べてきたのに 結局 納豆と卵かけごはんが一番おいしいとわかって、 幸せそうだなと思った。

 周りの反対押し切って一緒に暮らしていることは リスペクトに値する。 二人仲良く納豆の朝ごはんで おいしい・オイチイ・・・と云ってることが一番幸せなのだ。 ガキが こんな感情になるのも 普通じゃないけどな。

爺ちゃんは酒を飲まなかった。  爺ちゃんの親父(曾祖父)が 大酒のみで だらしない姿を見てきたから 自分は酒を飲まない・・・と、決めたそうである。  父親を反面教師にしていたのだ。  その代わりに 食うことが好きだった。 オレが小学生の頃に松本市街の馴染の料理屋で 馬刺しや牡丹鍋(イノシシの肉)を 爺ちゃんと一緒に よく食べに行った。

帝大(現在の東大)を出て 生命保険会社に勤務、富山、京都あたりへ転勤するたびに ホタルイカの刺身、松茸ご飯食べたと 嬉しそうに食道楽を自慢していた。   もしかして 日本各地の特産品が食えるから 転勤が苦にならない・・・・?                          四十過ぎてから司法試験に合格し 弁護士として 松本の裁判所が仕事場になって、近所では 先生扱いされていた。

自分なりに努力し勉強家でもあった。  この爺さんすげぇなと思ったのは ある時 オレが世界地図を見ていると イスラエルはどこだ?と 一緒になって 地図を眺めて、イスラエル、ヨルダン、シリア、イラク、トルコ、アラビア、エジプト・・・ この辺は 未来 いつまでたっても戦争ばかりするとこだよ、なにしろ紀元前から 戦争の絶えないところだから。   

第一次中東戦争でイスラエルがシリアのゴラン高原を占領したとかのニュースを知ったのは 自分が社会人になってからのことである。  周りが敵国ばかりのところで みんなやっつけてしまうイスラエルは強い! まるでモーゼの予言のように断言する爺ちゃんも 凄えよ・・・・・  

 NHKは日本放送協会、ニュースは東西南北、(ノース・イースト・ウエスト、サウス)、便所をWCていうのはアメリカではウォータークローゼット、日本では W(うんこ)と C(しっこ)・・・だからだべ?

これも爺ちゃんが教えてくれた、今おいらが 同じことを孫に伝承している。  

爺ちゃんが他界したのは 赤羽で暮らし始めて二年後76歳、肝硬変だつた。

酒を飲まないのに 肝臓病、旨いもの食いすぎじゃねえの? ドヂだねぇ俺もと 自嘲していた。  人生最後の2年間、 価値観が同じで仲の良い婆ちゃんと 納豆食べながら 幸せに暮らしていた。  爺ちゃんと婆ちゃんは 十分に人生を戦い、励まし 愛し合い、最後は 美味しい納豆ごはんに満足して幸せだったんだなと 後で時々想うのである。  人間が偉いのはこういうことだなと思った。 

恋愛の目標は夫婦になること、あの子に会いたい・・・というのはアノコとやりたい・・・てことである、これはビートたけしさんのネタ。 お寺の和尚様の法話では 人間に生まれたのは奇跡に匹敵するほど幸運なこと・・・である。  

考え方は人それぞれであるが 人間は結婚をゴールにしたいから 相手を選ぶ、 夫婦になってしまえば 天下御免、朝から小作りしてたって 誰も文句のつけようがない。  今どきは少子化社会に貢献する立派な行為である。   だから人間は相手を選ぶ、♂だったら綺麗な♀を好む、見た目を重視するのは人間だけである。 惚れただの 振られただのと ややこしい。  そうなると可哀そうなのはトンボやセミたち、昆虫は交尾と共に一生が終わる。  カマキリの♂は 事が終わると雌に食われるそうである。  元気な若い雄なら さっさと逃げるが勝ち、やり逃げ⁈である。  鮭の遡上も同じである 産卵と同時に皆死んでしまう、 皆 命懸け、 だから人間に生まれて良かった である。   

こんなことばっかり言ってるから 私は最近評判悪い、恋愛を論じるならもっと教育的にと、オラも少しは勉強しなくちゃ・・・・・読者各位の支持率下がっては淋しいから 今年の夏から 「相対性理論」を勉強したいと思った。  恋愛≒SEX と思うなら 世界最高水準の文献である。  恋愛を学術的に追及する人間も ちょっとおかしいよ、 何故人はSEXしたいかって? 福沢諭吉「天は人の上に人を創らず人の下に人を造らず」  リンカーン「人民の人民による 人民のための政治」 偉い人は理屈っぽいから困ったもんだ。  本当は「人は人の上に人を乗せて 人を造る」 結局 気持ちいいから・・・だろ。

なにを訳解んねえこと考えてるのか? 長くなるから また一休み  次回は「高齢者福祉論」    二十歳の医学系女子大生の論文に協力するため 高齢者のモデルとしてインタビューされた話。  オレ やっばり見た目爺さんとは 情けない。

 

 

 

 

 

 

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